1. 英検3級の試験変更について
2017年から、英検3級の筆記試験は、大問3で出題されていた語句整序問題が廃止となりました。その代わりにライティングが導入されています。この結果、文法問題は大問1のみとなり、文法問題の占める割合は減少したように見えます。
しかし、長文でも中学レベルの文法が関係した文が出てきます。決して手を抜いてはいけません。2017年度(変更後)の各問題における詳細は以下の通りです。
大問番号 | 形式・課題 | 形式・課題詳細 | 問題数 | 問題文の種類 | 解答形式 |
---|---|---|---|---|---|
大問1 | 短文の語句の空所補充 | 文脈に合う適切な語句を補う。 | 15 | 短文 会話文 |
4肢選択(選択肢印刷) |
大問2 | 会話文の空所補充 | 会話文の空所に適切な文や語句を補う。 | 5 | 会話文 | |
大問3 | 長文の内容一致選択 | パッセージの内容に関する質問に答える。 | 10 | 掲示・案内、Eメール(手紙文)、説明文 | |
大問4 | 英作文 | 質問に対する回答を英文で書く。 | 1 | (英作文なので問題文はない) | 記述式 |
(参考:英検|試験内容・過去問|3級の試験内容・過去問|3級の試験内容)
2017年の変更に伴い、リーディングの試験時間は40分から50分に、10分間延長されています。ライティングは時間がかかりますが、10分延長になったため、それほど時間的な厳しさは無いでしょう。
2. 英検3級のリーディング問題の特徴
2017年から、大問3つの構成となりました。問題Aで掲示・案内、問題BでEメール(手紙文)、問題Cで説明文が出題されます。問題数はAが2問、Bが3問、Cが5問です。
長文には難易度の高い単語はほとんど出てきません。4級レベルの単語をしっかりと覚え、3級の単語帳などでさらに少し単語を覚えれば、十分対応できます。
しかし、中学の中盤から後半で習うような文法事項が出てきます。例えば、受動態や比較、there is構文などです。このような文法知識を持っておかなければ、読み進めることが難しく感じるでしょう。
3. 掲示・案内問題
大問3-Aは、掲示・案内の問題です。この問題は、答えになる箇所が問題文のどこかに書かれています。それを見つけて答えることができれば正解になるので、比較的難易度は低いと言えます。
この形式の問題でもう一つ覚えておきたいのは、早く解く方法です。文章を全部読んでから問題を解くよりも、先に問題を読んでおき、答えを探しながら文章を読んだ方が、早く見つかるでしょう。
そこで、5W1H(what, when, where, who, why, how)などの疑問詞や固有名詞に注目しましょう。文章のどのあたりに答えが書かれているのかを考えながら読むと、手っ取り早く答えを見つけることができます。
4. Eメール(手紙文)
大問3-Bは、Eメール(手紙文)の問題です。Eメール(手紙文)の問題にも、5W1Hが使われている設問が多いです。設問を先読みしてから問題文を読みましょう。
文書が3つあるのが特徴で一見複雑そうに見えますが、戸惑う必要はありません。1問目は1つ目の文書、2問目は2つ目の文書、3問目3つ目の文書に関連しています。
Eメールや手紙で重要なことは、差出人と受取人の名前をチェックすることです。ここを間違えると、当然問題も正しく答えることができません。普通、冒頭にHi, ○○.と書かれた人が受取人です。差出人は、文書の一番下に書かれているのが一般的です。
また、Eメールや手紙には必ず目的が書かれています。大抵はその部分が設問として問われるので、それをとらえるように読みましょう。
5. 説明文
大問3-Cは、説明文の問題です。他の問題と同様に、設問からチェックをしていき、順番に解いていくのが基本です。1段落読んでは設問を解き、続きを読むといった解き方を実践しましょう。例えば、第1問は第1段落、第2問は第2段落…というように進めると、最も時間のロスを少なくできます。
ただし、最後の5問目に注意してください。5問目は、What is this story about?「この話は何についてか」という質問です。よって、文章全体を通して書かれている内容の選択肢を選ばなければなりません。
ただ、全く本文と関係の無いことが書かれている選択肢もあります。そのようなものから消去していくと、解きやすくなるでしょう。
6. まとめ
このように、英検3級のリーディング問題は、解くときのコツをつかめば割と簡単に解くことができることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ただ、リーディングで点数を伸ばすために重要なことは、テクニックではなく、単語や文法の基礎知識です。英検のリーディング問題はジャンルが多く、質的にも良質な英文が出題されるので、この先の英語学習に役立てることができるはずです。頑張って取り組んでみましょう。