目次
- はじめに
- 入試の概要
- 試験日
- 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
- 配点
- 出題の傾向と特徴(概要)
- 出題の傾向と特徴(詳細)
- 英文読解
- 英文法
- 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
- Step.1 基本単語・文法の定着
- Step.2 標準レベルの単語、文法問題に取り組む
- Step.3 長文問題に取り組む
- Step.4 英文和訳問題に取り組む
- Step.5 過去問・模擬問題集を用いた演習に取り組む
1. はじめに
藤田医科大学は、愛知県豊明市にある私立大学で、同県内の愛知医科大学とほぼ同じくらいのレベルと考えて良いでしょう。
本記事では、藤田医科大学医学部医学科の英語の一般入試(前期日程・後期日程)の難易度や出題内容分析についてご説明します。
2. 概要
2.1 試験日
一般入試前期日程
1次試験:2019年1月29日(火)
2次試験:2019年2月7日(木)/2月8日(金)※いずれか希望する日
一般入試後期日程
1次試験:2019年3月3日(日)
2次試験:2019年3月14日(火)
2.2 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
※一般入試前期日程・後期日程共通
(試験科目・試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・面接
(試験時間)
1次試験
・英語(90分)
・数学(100分)
・理科(120分)※2科目選択
2次試験
・面接
(解答形式)
マークシート・記述・論述併用
2.3 配点
1次試験
・英語(200点)
・数学(200点)
・理科(200点)
2次試験
・面接(提出書類と合わせて100点)
2.4 出題の傾向と特徴(概要)
藤田医科大学の英語入試問題では、例年大問3題の構成となっています。分量は適量で、それほど急がなくても最後まで解き切ることができるでしょう。文章の難易度はやや高めで、記述問題や英単語の記述問題が出題されるのが特徴です。
私立医学部の中には記述式の問題が出題されない大学も少なくないことから、受験者は、国公立大学の問題や聖マリアンナ医科大学のように記述式問題が課される私立医学部の過去問などを解いて、記述演習を積む必要があります。長文は専門的で読みにくい印象がある上、論理的思考を試される問題も出題されるので、知識力だけでなく思考力を重視している入試傾向だと言えます。
3. 出題の傾向と特徴(詳細)
3.1 英文読解
【空所補充問題】
空所補充問題は、様々な形式となっており、2つの語のどちらかを入れる問題や、ディスコースマーカー(論理関係を表す副詞)を入れる問題、さらには大問3で出題される長文の空所に単語を記述する問題などが出題されます。特に大問3で出題される単語の記述問題は注意が必要で、いわゆる単語を「読めるが、書けない」状態では、かなり落としてしまうでしょう。
以上のように、長文における空所補充問題は配点がかなり高いので、準備をした上で本番を迎えられるようにしましょう。
【内容真偽問題】
内容真偽問題は、他大学で出題されるような通常の問題とあまり変わりません。長文の内容が理解できれば取れる問題ですが、長文のどこに該当するのか段落の指定などは記載が無いため、探す手間はかかります。大問1の内容一致問題は、正しいものを2つ選ぶ形式になっていることが多いですが、年度によっては正しいものをすべて選ぶ形式だったこともあります。
【内容説明問題】
私立医学部の中では比較的珍しいことに、藤田医科大学では記述式の内容説明問題が出題されます。記述すべき箇所を特定することはそれほど難しくない問題が多いのですが、記述対策をしないとうまく字数制限内にまとめることは少し難しいでしょう。国公立大学の記述式問題などを活用して答案作成力の対策を立てておきましょう。
3.2 英文法
藤田医科大学では、文法の単独問題は出題されません。しかし、長文の空所補充問題は実質的に文法的知識を活かして解く問題が多いことや、毎年ではありませんが、長文問題の中で整序問題が出題されることもあります。そのため、文法の基礎知識に穴がない状態にしておくことが大切です。高度な文法知識を必要とする問題は出題されないので、基本を固めることに徹しましょう。
4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
■Step.1 基本単語・文法の定着
藤田医科大学の入試形式を見ると長文の分量がかなり多いので、英文を読むスピードがかなり重要になってきます。速読をする必要はありませんが、基本単語と文法力が固まっていないと速く読むことは難しいでしょう。まずは、下記に挙げるレベルの単語帳で基本単語の定着度を確認してみましょう。
次に、文法力も確認しておきましょう。藤田医科大学の医学部では、今のところ文法の単独問題は出題されていませんが、長文を正確に読むこと、さらには長文の空所補充問題を解くために文法の知識は不可欠なので、必ず押さえておきましょう。文法問題が出ないこともあるため、難解な文法問題に手を出す必要はありません。下記に挙げるような薄めの問題集を使って知識を定着させ、その次にセンターレベルの標準的な問題集を完成させましょう。
また、本学では和訳問題が出題される傾向があるため、句と節の働き、修飾関係などの理解が非常に重要となります。例えばing形1つ取ってみたところで、進行形、現在分詞、分詞構文など色々あり、それぞれ働きが違います。何となく雰囲気で捉えているレベルでは、和訳で減点されてしまうので、正確な理解が不可欠になります。その土台を文法演習を通じて、身につけてください。
■Step.2 標準レベルの単語、文法問題に取り組む
藤田医科大学の問題は長文が医療系の内容で少し読みにくいのですが、単語で躓いてしまうのは避けたいところです。まずは最低限、下記のような標準レベルの単語帳を仕上げましょう。
文法も併せて対策をしておきましょう。文法の難易度は、下記に紹介するレベルの標準的なもので構いません。
『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』(桐原書店)
■Step.3 長文問題に取り組む
藤田医科大学の長文は500語を超える長文が2題、500語未満の長文空所補充問題が1題出題されます。そのため、読解総量はかなり多いと言え、精読と速読の両面から鍛える必要があります。まずは夏くらいまでに精読をしっかり行って読める状態にしておき、秋口以降に速読もできるようにしていくことができれば理想的です。また、長文の難易度はやや高めで、医療系の英文も最終的には読み進めていきましょう。まずは、オーソドックスな英文から攻略するために、下記に挙げるような長文問題集を解いてみましょう。初めのうちは、あまり時間を気にしなくても良いと思いますが、徐々に時間を計りながら取り組んでみてください。
本番の入試問題では記述式問題も出題されますが、たいていの長文問題集には記述式問題も含まれているので、その点は問題ないと思います。できれば記述問題は解き終わったあとに模範解答と見比べて、違った場合、記述箇所が異なっていたのか、まとめる表現に問題が合ったのかなど自分の弱点を把握しておくと良いでしょう。
■Step.4 英文和訳問題に取り組む
英文和訳問題は毎年出題されるわけではありませんが、「〇〇字で説明しなさい」という問題は、該当する箇所を抜き出して訳せばうまく行く場合も多いため、英文和訳の力をつけないことには高得点を取ることは難しいと言えます。そこでまずは、英文和訳の問題集にも取り組んでみましょう。いきなり英文読解に取り組むのも難しいと思うので、まずは、構文集から取り組んでみることをおすすめします。また、英文読解で英文構造が難し過ぎるものに関しても、飛ばして構いません。試験傾向を見る限り、英文構造はそこまで複雑ではないので、その時間は他の学習に当てた方が効率が良いのではないかと思います。
■Step.5 過去問・模擬問題集を用いた演習に取り組む
Step.4 まで終了したら、過去問に取り組んでみましょう。記述問題があるものの、藤田医科大学の問題は、医学部という観点で見るとオーソドックスな傾向にあります。特別な難問奇問の類はないので、過去問を10年分くらいは解き、傾向の似た医学部の過去問も解いておきましょう。私立医学部の長文が集まった問題集は下記のものがありますが、記述問題が少ないので、国公立版にも取り組んでみるとさらに理解が深まるでしょう。
(参考)
藤田医科大学|受験生サイト|入試制度(医学部)|2019年度 医学部 学生募集要項