目次
- はじめに
- 入試の概要
- 試験日
- 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
- 配点
- 出題の傾向と特徴(概要)
- 出題の傾向と特徴(詳細)
- 合否のカギは計算力
- 小問集合の特徴
- 誘導問題の特徴
- 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
- 基本事項の完全マスター
- 入試標準問題集で定型解法をマスター
- 計算練習用問題集で計算力を磨く
- 過去問を使って対策の仕上げ
1. はじめに
東海大学医学部の一般入試は、2日間実施されます。1日目と2日目での有利不利が出ないよう、合格判定は偏差値換算で行われます。また、受験日程による問題の傾向・難易度にも大きな差はありません。
本学の入試では基礎力を問う問題を中心に出題されるため、私大医学部の中でも対策しやすい大学の1つといえます。しかし、それゆえに毎年合格ラインは非常に高くなります。綿密な計画なしにはこの難関を突破することは出来ません。
以下では、本学の入試問題の特徴と対策方法について解説します。
2. 概要
2.2 試験科目・試験範囲・試験時間・解答形式
(試験科目・試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列・ベクトル)
・理科:「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」から1科目選択
(試験時間)
1次試験:
10:00〜11:10 理科(70分)
12:10〜13:20 数学(70分)
13:50〜15:00 英語(70分)
2次試験:
9:30〜10:00 小論文(30分・500字)
10:30〜 面接(10~20分)
(解答形式)
・英語:記述・論述式(和訳・英訳)
・数学:記述式(解答のみ記述。途中過程は書かない)
・物理:マークシート・記述式併用
・化学:マークシート・記述式併用
・生物:記述・論述式
2.3 配点
1次試験:
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(100点)
2次試験
・面接
2.4 出題の傾向と特徴(概要)
東海大学医学部の数学は、試験時間70分で大問3題の構成です。
出題形式は、3題とも空所補充(文章中や数式の一部に設けられた空欄に当てはまる数値や数式を解答)です。
問題の難易度は、教科書章末問題レベル~中位私立大学レベルです。出題される問題のほとんどが標準的な典型問題です。またこのレベルの大問3題に対して試験時間70分は標準的な解答時間に比べてやや長いため、その分高い計算精度が求められます。
数学のボーダー得点率は例年80%を超えると予想され、わずかなミスが命取りになる試験といえます。
3. 出題の傾向と特徴(詳細)
合否のカギは計算力
先に述べたように東海大学医学部の数学は、私大医学部の中では比較的対策しやすい大学であるといえます。
しかしこれは、すべての受験生に当てはまることです。当然、みんなが高得点を取れて当たり前という構図になります。
実際、例年の数学ボーダー得点率は80%を超えるとされています。
本学に合格するためには、国公立大学に出題されるような難問を解く力は必要はないものの、計算の正確さが非常に大切ということです。
計算精度の向上は一朝一夕にできることではありません。
普段の学習の中で、効率が良くてミスの出にくい計算方法・工夫の仕方を意識しましょう!
小問集合の特徴
大問1は例年、複数分野の小問集合が出題されます。
各小問は教科書章末レベルであり、基本的な問題ばかりです。
問題は易しく解きやすいのですが、逆にいうとここでは1問も落とせないということです。
頻出の問題の例として次のようなものが挙げられます。
・場合の数、確率の計算
・指数対数の方程式、不等式
・三角関数の値の計算
・数列の和の計算
・ベクトルの大きさ、内積の計算
・積分の計算
数IA,IIB,IIIの範囲から様々な問題が出題されているので、過去問を解いて穴がないか確認しましょう。
誘導問題の特徴
例年では大問2~3は、いくつかの小問に分かれた誘導形式になっています。
ここで扱われるのは上位私立大学で出題されるような問題ですが、特別な知識が無くとも誘導に乗って行けば空所を埋められるように工夫が施されています。そのため、教科書の基本事項さえ確実に理解していればその場で対応できます。しかし本学のボーダー得点率は非常に高いため、1点でも多く点数を稼がなくてはなりません。
高得点を狙うための重要な要素の1つは、上手く誘導に乗れることです。
過去問を最低でも5年分は解いて、本学の誘導形式に十分慣れておきましょう!
また、頻出の出題テーマは次のようなものが挙げられます。
上級レベルの問題演習を行い、これら問題を重点的に演習し対策しましょう。
・確率の計算
・数列の漸化式
・極限(数列や確率、図形との融合問題)
・曲線が囲う図形の面積や回転体の体積の積分計算
4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
東海大学医学部の数学攻略のカギは計算力。
標準的な問題が大半を占める試験である以上、解ける問題を1問も落とさない正確さがとても大切です。しかし入試典型問題に対応する基礎力がなければ、いくら計算力があっても意味がありません。
ここでは、合格を手にするための学習方法について解説します。
次のStep.1~Step.4を参考に、学習計画を立ててみましょう。
■Step.1 基礎事項の完全マスター
目標:教科書レベルの基本固め
まずは教科書レベルの内容を振り返りです。
はじめのうちは教科書や参考書を参照しながらで構いません。教科書傍用問題集(4stepやサクシードなど)や市販の基本問題集を解いてみましょう。
ただ眺めているだけでは意味がありません。実際に手を動かして、基本事項をしっかりと理解できているか確かめましょう!「こんな公式あったかな?」、「そういえば昔、こんなこと勉強したな…」なんて言っているうちは、まだまだです。忘れていた公式はよく復習し、しっかりと頭に入れていきましょう!
数学が苦手な受験生には、次のような参考書がおすすめです。
文字だけでなく図解を取り入れた懇切丁寧な解説が載っています。
■Step.2 入試標準問題集で定型問題をマスター
目標:数学IA、IIB、III各分野の入試標準問題の定型解法の習得
教科書の内容が身についたら、次のStepに進みましょう。
この段階では、基本事項の使い方を実戦的に学んでいきます。
おすすめは、次に挙げるような学習参考書です。
1冊あたりの収録例題数が200を超え、様々な出題パターンを網羅して学べる『青チャート』や『フォーカスゴールド』よいでしょう。
「部活動で忙しい…」、「入試本番まであまり時間が…」という受験生は、1冊あたりの例題数が150程度とコンパクトにまとまった『標準問題精講』のシリーズを使ってもよいでしょう。
はじめのうちは初見の問題が多いため、解法の糸口が掴めない問題があるかも知れません。
もし5分考えても手が出ない場合は、すぐに模範解答を見て解法を覚えてしまいましょう。
それから1~2日後にもう1度同じ問題を解いて、自力で解けるようになっていればOKです。
Step.1と同様に、各分野の例題を何も見ずに解けるようになるまで繰り返し演習しましょう!
ここまでクリアできたら、次のStep.3に進みます。
※「3.3 誘導問題の出題傾向」で述べたように、確率、数列、極限、微分積分の分野から上級レベルの問題が出題されることがあります。
各単元の章末に例題よりもワンランク上の問題が載っているので、上記の分野の演習を行うとより良いでしょう。
■Step.3 計算練習用問題集で計算力を磨く
目標:計算精度の向上&計算テクニックの習得
入試標準問題に対応する力がついたら、次は計算トレーニングです。
次のような計算練習用の問題集がおすすめです。
単に計算スピード・精度を上げるだけでなく、教科書には載っていない計算の裏技を身につけることも出来ます!
『カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集]』(駿台文庫)
■Step.4 過去問を使っての対策の仕上げ
目標:東海大医学部の問題形式に慣れる
まずは本番同様に70分計って、過去問を解いてみてください。
さて、正答率はボーダーラインの80%に達しているでしょうか?
もしボーダーラインに届かなかったのなら、何が原因だったのか分析しましょう。
・公式を忘れてしまっていたor覚え違いがあった(→Step.1)
・基本事項の理解が不十分で解けない問題があった(→Step.2)
・計算スピードが足りず時間内に解き終わらなかった(→Step.3)
・解けるはずの問題を計算ミスで落としてしまった(→Step.3)
・誘導に上手く乗れず、何をどのように求めればよいか掴めなかった(→Step.4)
この中に該当する項目があれば( )に記載した学習Stepに戻り、単元ごとに穴を埋めましょう。
ただし、最後の項目は誘導形式の問題を解き慣れているかどうかが重要です。
過去問の模範解答をよく読んで、作問者が期待する解法の流れを確認してください。そして必ずもう1度問題を解き直し、模範解答通りの解答を再現できるかチェックしましょう。これが出来て初めて、「過去問を復習した」ことになります。
(参考)
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