目次
- はじめに
- 概要
- 試験日
- 試験範囲・試験時間・解答形式
- 配点
- 出題の傾向と特徴(概要)
- 合格得点
- 出題の傾向と特徴(詳細)
- 解法丸暗記の学習では刃が立たない、思考力・計算力重視の出題!
- 出題は微積が中心。それに次いで確率、数列、極限に関する問題も頻出!
- 証明・図示問題は毎年出題される!
- 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
- 教科書の内容の完全マスター&計算トレーニング
- 入試標準問題集で定型解法をマスター
- 難関国公立大学レベルの入試問題演習
- 過去問を使って入試本番を想定した演習
1. はじめに
早稲田大学基幹理工学部・先進理工学部・創造理工学部は、すべて私立大学理工学部の中で最難関校です。本学で出題される数学の問題は最難関国立大学レベルに匹敵し、高い思考力と正確な計算力の両方を求められます。この記事では、本学に合格するための対策方法について解説します。
2. 概要
2.1 試験日
出願期間
2018年1月5日(金) ~ 1月26日(金)【締切日消印有効】
試験日
平成30年2月16日(金)
合格発表日
平成30年2月26日(月)
手続締切日
第1次:平成30年3月5日(月) 登録料(入学金)振込締切日
第2次:平成30年3月23日(金) 学費等(春学期分)振込締切日
2.2 試験範囲・試験時間
(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B
数学Bの「確率分布と統計的な推測」は除く
理科は、次のうちから2つを選択(学部・学系・学科別の理科解答パターンは以下を参照してください)
①物理基礎、物理 ②化学基礎、化学 ③生物基礎、生物
【理科解答パターン】
●基幹理工学部 学系Ⅱ ●創造理工学部 ●先進理工学部 物理学科、応用物理学科、化学・生命化学科
→物理、化学
●先進理工学部 応用化学科
→物理、化学、または化学、生物
●基幹理工学部 学系Ⅰ、学系Ⅲ ●先進理工学部 生命医科学科、電気・情報生命工学科
→物理、化学、または物理、生物、または化学、生物●基幹理工学部は学系別、創造理工学部・先進理工学部は学科別募集。3学部同一問題で入試を行っており、学部および、学系間、学科間の併願はできません。
●先進理工学部の志願者は、学部内で同一の理科解答パターンの他学科を第二志望とすることができます。第一志望が不合格(補欠)の場合で、総合点が第二志 望学科の合格最低点を上回る場合にのみ、第二志望学科合格となります。ただし第一志望学科が補欠合格になった場合は、第二志望学科の合格は取り消されます (同時に2学科に合格することはありません)。なお、補欠は第一志望学科のみ適用されます。
(出典:早稲田大学入学センター|学部入試情報|入試制度一覧|一般入試)
(試験時間)
・英語(90分)
・数学(120分)
・理科(120分)
・空間表現(120分)※創造理工学部建築学科志願者のみ(2月17日に実施)
2.3 配点
・英語(120点)
・数学(120点)
・理科(120点、1科目60点)
・空間表現(40点)※創造理工学部建築学科志願者のみ(2月17日に実施)
2.4 出題の傾向と特徴(概要)
早稲田大学基幹理工学部、先進理工学部、創造理工学部の数学の入試問題はすべて共通です。試験時間120分で大問5題が出題されます。問題の難易度は最難関国公立大学レベルに匹敵し、抽象度が高く計算量も多いのが特徴です。試験時間120分の間にすべての大問を完答するには、非常に高い水準の思考力と計算力が必要です。
3. 出題の傾向と特徴(詳細)
3.1 解法丸暗記の学習では刃が立たない、思考力・計算力重視の出題!
早稲田大学基幹理工学部、先進理工学部、創造理工学部の数学は全問共通です。試験時間120分で大問5題が出題され、すべての大問が途中過程を含めた記述式です。問題の難易度は大問ごとに異なりますが、入試標準レベル~最難関国公立大学レベルです。例年では各大問がいくつかの小問に分かれた誘導形式で、小問を解き進めるにつれて難易度が上がっていく構成になっています。出題内容は解法が決まりきった入試典型問題とは一味違い、典型問題に手を加えた問題や一般的な入試問題集では見かけない問題(いわゆる初見問題)が多く出題されます。その場で解法を模索する思考力が求められるうえに、正解にたどり着くまでの計算量が膨大なケースも珍しくありません。
3.2 出題は微積が中心。それに次いで確率、数列、極限に関する問題も頻出!
本学の数学は基本的に複数分野の融合問題ですが、数Ⅲの微積に関する出題が非常に多いです。例年では大問5題中2題は微積に関する問題です。出題テーマは媒介変数表示された関数のグラフの概形の作図や平面図形の面積計算、回転体の体積計算が頻出です。
また微積に次いで確率、数列、極限、図形に関する問題も多く見られます。出題テーマは確率の極限値や数列の極限が頻出です。
3.3 証明・図示問題は毎年出題される!
本学では毎年、大問5題中2~3題もの割合で証明問題や図示問題が出題されます。先に述べたように各大問が誘導形式なので、出題者の意図を汲み取って上手く解答の糸口を見つけることがカギになります。上級入試問題集および過去問を演習して対策をしておきましょう。
4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介
4.1 教科書の内容の完全マスター&計算トレーニング
目標:教科書レベルの基本知識を固めると同時に計算力を身につける
最難関国公立大学レベルの問題に挑むためには、しっかりと基礎を固める必要があります。
まずは教科書の内容をマスターしているかチェックしましょう。
はじめは教科書を参照しながらで構わないので、教科書傍用問題集を解いてみましょう。
実際に手を動かすことで、基本事項を理解できているか確かめることが大切です。
忘れていた公式があればよく復習し、しっかりと頭に入れていきましょう。また、定型問題の解法も繰り返し演習して身に付けておきましょう。
苦手な分野があっても、避けようとせずに粘り強く演習しましょう。
教科書傍用問題集を何も見ずに解けるようになるまで、繰り返し演習しましょう。
また、教科書の基礎固めと同時に計算トレーニングも行いましょう。
計算スピードを上げるだけでなく、覚えた公式をアウトプットして定着させることができます!
次のような計算練習用の問題集がおすすめです。
カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集](駿台文庫)
4.2 入試標準問題集で定型解法をマスター
目標:数学IA、IIB、III各分野の標準的な入試頻出問題の定型解法を身につける
教科書の内容が身についたら、次のステップに進みましょう。この段階では、基本事項の使い方を実戦的に学んでいきます。
おすすめは、次に挙げるような学習参考書です。1冊あたりの収録例題数が200を超え、様々な出題パターンを網羅して学べる『青チャート』や『フォーカスゴールド』よいでしょう。
「今は部活動で忙しい…」、「入試本番まであまり時間がない…」という受験生は、1冊あたりの例題数が150程度とコンパクトにまとまった『標準問題精講』のシリーズを使ってもよいでしょう。
はじめのうちは初見の問題が多いため、解法の糸口が掴めない問題があるかも知れません。もし5分考えても手が出ない場合は、すぐに模範解答を見て解法を覚えてしまいましょう。それから1~2日後にもう1度同じ問題を解いて、自力で解けるようになっていればOKです。
4.1と同様に、各分野の例題を何も見ずに解けるようになるまで繰り返し演習しましょう! ここまでクリアできたら、次の4.3に進みます。
・『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A/Ⅱ+B/Ⅲ (通称:青チャート)』(数研出版)
4.3 難関国公立大学レベルの入試問題演習
目標:早稲田大学基幹理工学部、先進理工学部、創造理工学部の過去問に対応できるだけの力をつける
ここでは過去問演習に入る前の段階の演習を行います。
次に挙げるような問題集ならば、分野ごとに難関国公立大学レベルの入試典型問題を演習することができます。
演習の際には入試本番を想定して制限時間を設けましょう。
入試本番では大問1問に掛けられる時間は25分程度ですから、これを目安に解いてください。
各単元の問題を何も見ずに解けるようになったら、いよいよ最後の仕上げ(Step.4)に入りましょう!
4.4 過去問を使った実戦的な演習
目標:誘導に上手く乗り、制限時間内に全問解答できるようにする
『早稲田大学(基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部)』(教学社)
まずは本番と同様に120分計って過去問を解いてみてください。
それから模範解答や解説をよく読んで次の項目をチェックしましょう。
・制限時間120分以内に何問解答できたか?
・(制限時間内に解き終わらなかった場合)時間が掛かり過ぎた問題や手が出なかった問題はあったか?
・(あったとしたら)どの分野の問題だったか?
・その問題の入試典型問題を理解できていたか?
これらの項目を踏まえ、次にやるべき課題を決定しましょう。もちろん、必要に応じてStep.1~3に戻って復習することが大切です。また過去問は一度解いただけでは身になりませんから、繰り返し復習することも忘れずに。